塵ひとつない美しい住宅展示場のモデルルームや、パンフレットに載っている、ソファーで団欒に興じたり、パーティーを開いたりしている家族の写真によって、イメーだけが膨らんでいる場合も多いのですが、リビングルームの絶対的な広さが違う事実に気がつくべきでしょう。戦後の飢えの時代が終わり、食が満たされ、衣が満たされ、住まいに関しては、標準家族とされる4人家族がぎりぎり住まうことが可能な最小限住宅である2LDKが普及しました。
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そして本来なら、高度成長から安定成長に移行した昭和50年代、画一的2LDKから脱して、空間の豊かさが追求されなければならない時期に、住まいに耐久消費財が津波のようになだれ込んできたため、部屋の中はパンク状態になってしまったのです。物によってどんなに部屋か狭くなろうと、持つことそれ自体が豊かさの象徴だったため喜びのほうが大きく、その結果、本来のダイニングはテーブルに座るだけで精一杯、リビングルームのソファーに座っても目の前のテレビを見ることしかできないという、自由度がない、リビングルームというより「テレビルーム」が生み出されてしまいました。